本書は全部で7章に分かれており、第1章から第3章ではユーザビリティの基礎について書かれている。第3章までにひと通りユーザビリティテストに関する知識を習得したら、続く第4章では、チェックシートをもとに自分たちのユーザビリティ向上へのアプローチが正しいのかどうか、確認できるようになっている。「ユニバーサルデザイン編」、「家電製品の操作パネル編」、「GUI編」の3つが用意され、それぞれに十分な量の質問が盛り込まれているため、きちんとこなせば自分たちのプロジェクトに足りない視点を得ることができるだろう。 さらに第5章では、ユーザビリティワークショップの事例、第6章ではプロを支援するためのインタフェース、最後の7章ではユーザビリティの規格化の動きとWebサイトのユーザビリティについて述べられている。巻末にある参考文献リストも、これからユーザビリティを学ぶ人にとって貴重な情報源となるだろう。
全体的に、現場の視点にこだわって書かれているため、どの内容をとっても実践的である。開発予算や社内事情、ユーザーの立場を考慮した現実的な提案は、理想論からいえばもの足りない部分もあるだろうが、十分な説得力をもっている。ユーザーに長く愛される商品を作るために、ぜひ一読したい。(土井英司)
内容は、成功者の心構えに関するものが大半である。中には「他人を動機づける法」や「他人の金を使え!」などノウハウ的なものもあるが、最もページを割き、読みごたえがあるのは、成功者たちがどんな心構えを持ち、動機や良い習慣を保ち続けてきたのか、というプロセスである。彼らがどのようにして自分を戒め、動機づけてきたのかを学ぶことは、長いビジネス人生で必ず役に立つだろう。
「心構えの書」というと、概念的なことに終始しがちな印象があるが、本書はさまざまな人物のケースを紹介しながら議論を進めているため、その是非はともかく、読みごたえがある。(土井英司)