ぬいぐるみ団オドキンズ 4152500026 早川書房
■Amazonエディターレビュー 選りすぐりの海外ミステリーやSFを紹介しつづけてきた早川書房が、子どもたちのために創刊した「ハリネズミの本箱」シリーズ。その創刊ラインアップのうちのひとつである本書は、スティーヴン・キングと並び称されるモダンホラーの名手ディーン・クーンツが著者であり、初の児童書となる。スピーディーな展開と魅力的なキャラクターにあふれた、痛快なファンタジーだ。 「特別な子ども」の秘密の友だちとして作られた、魔法の力をもったぬいぐるみたち、オドキンズ。彼らをつくったおもちゃ職人のアイザックおじさんが亡くなった嵐の夜に物語ははじまる。テディ・ベアのエイモスをはじめとするオドキンズ一行は、アイザックおじさんがあと継ぎに、と望んでいた女性シャノンを訪ねて街までの旅に出るのだが、そこにはたくさんの困難が待ち受けていた。悪天候や、魔法など信じないおとなたち、凶暴な野良猫に野良犬。そして、一番の敵は悪いおもちゃ職人がつくった邪悪なおもちゃたちだ。 傷つきながらも彼らは言う。 「こういう探索は、いつだって困難なんだ」 「しかし、勇気と決意があれば、つねに必要なことはなしとげられる」 文字は大きく、ルビも多めにふられているので子どもにも読みやすい。が、たかが子ども向けの本とあなどるなかれ。読みはじめたらとまらないストーリーはもちろんのこと、バックスバニーやケイリー・グラントといった大人世代だからこそ、なじみの深い名前がそこここに現れる。まさに「八歳から八十歳まで」すべての世代を魅了する1冊である。(小山由子) |